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2008年11月23日

瑕疵担保履行法について

姉歯問題やフューザーのマンション構造偽装をスケープゴートにして、建築基準法は、消費者保護の大目的と称して、建設業者を整理するために、国は建築基準法改正した。
その中でも、瑕疵担保履行法なる新たなる保険制度が、施行されるのが、来年の10月からである。
 この制度は、供託金を出すか、保険にはいるかの二者択一しかなく、入らなければ違法となる。しかし、急遽作った法律なので、保険にも、穴だらけの状態で、見切り発車してしまった制度である。
性悪説にたった法律は、良心的にがんばっている施工業者にとっては、はなはだ迷惑なことであり、間接的には、消費者に多大な負担を強要することとなっている。
 
 本日の午前中も、弊社が加入している「あんしん住宅保証」という会社の瑕疵担保保険の説明会に参加してきた。2ヶ月ほど前にも、国土交通省の説明会にも参加した。
 今日も、一連の説明を聞き、やはり納得できない内容の説明の繰り返し。
強制的に加入されるようなもので、入らなければ、建設業ができないのだ。
中小企業には、絶対に無理な供託金という制度を同時に説明するが、これも大手メーカーに有利な供託金の計算方法となっており、年間100棟以下の工務店には不可能な計算方法となっている。

 建設業法では、150m2までの木造住宅は、建設業の許可なしでも大工さんが建てることができることになっている。保険に入るには建設業の許可がないと加入できない。逆にいえば、建設業の許可を持っていない業者は、加入しなくてもいいということになる。

 この法律が施行されると、基準日に年二回、国土交通省に報告義務がある。
この報告を怠ると懲役の罰則まである、恐ろしい法律である。
 消費者の立場に立てば、確かに一見、すばらしいように思うかもしれないが、悪徳業者にとっては、10年間だけ持つ家を建てればいいわけで、保険が守ってくれるということにあり、いくら検査をするからといっても、いくらでも抜け道はある。

 良心的な業者は、悪徳業者の分を負担して保険料を巻き上げられるわけだ。
伝統工法の手法では、この保険の項目に合致しない部分が多々あり、現在検討中とのこと。果たして、施行までに間に合うのであろうか?伝統構法を作る大工さんや工務店は、施主との信頼関係を深く持ち、地域で責任を持って頑張っているところがほとんどである。責任をいままでもとってきたはずだから継続して、そういう仕事ができるのである。

 保険会社は、申請されたものを100%受ける義務があるにも関わらず、拒否する権利もあると主張した。

 国は、建築基準法に合致したものは、保険に適用しなさいと指導しているにもかかわらず、民間である保険会社は、自社の施工基準にあわないものは、拒否するのである。また、確認申請の不用な、都市計画以外の地域での保険適用は、審査が非常に難しいことも露呈した。いわゆる田舎で信頼関係の元に大工さんが建てている家の保険を適用させることは難しい。審査機関もなく、確認申請もいらないので、図面もまともにない。

 保険会社は、数社認可されたが、それぞれ、金額も考え方もバラバラである。
 保険の審査の委託をうけた確認検査機関も人員が必要である。
 そういう意味では、検査機関や保険会社で、雇用が創出され、新しい産業ができたと もいえる。
 
疑心暗鬼の世の中では、いい建物は建たない。
すべてが、経済優先の論理からきたことである。残念である。

瑕疵担保履行法のQ&A