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2007年6月16日

つくり手の声

木の家ネット ブログ活用コンテンツ
1)あなたが家づくりをしている地方の気候風土について教えてくださ い。

愛知県は、尾張地方と三河地方というように2つの地域に大別されます。この分け方は廃藩置県の前にさかのぼるわけですが、私の住む地域の尾張は、北西~西側~南東側の木曽三川の河口付近に広がった平野部分と東北~東側の丘陵地帯とに分けられます。冬は伊吹山からの伊吹おろしの影響を受け寒く、少雨、乾燥。夏は、南東の伊勢湾からの風で、高温、多湿で蒸し暑く、決して過ごしやすいとはいえない地域です。三河地方は、三河湾を囲む温暖な平野の地域と北東部の冬の厳しい山間地域とに別れます。

2)気候風土がいちばんきつく感じられる季節はいつで、どんな風にきついですか?

やはり高温多湿の夏です。空調に頼る方が多いです。

3)気候風土に関していちばん気を配っていることを、実例の写真など を交えて、教えてください。

風通しと庇による日照の調整。室内の調湿機能を高める土や木材などの自然素材だけの室内の内装。
屋根からの輻射熱を防ぐために、自然素材断熱材を基準より厚くする。
最上階に天井を設けずに、小屋裏通気を重視することにより、滞留した熱い空気がたまらないようにする。

4)その他、住み心地のいい室内環境をつくるために工夫していることがあれば。
床下からの冷たい空気を玄関内へ取り入れ、夏の室内温度を少しでも下げる

5)家の住み心地について、お施主さんからのコメントがあればお願い します。

最近のプレファブのような家は、夏は、留守にして帰るとムッとするが、この家は、ホッとするほど涼しい。
夏の日中は、窓(できれば雨戸も)しめて、極力日射を避けることと戸外の熱い空気の流入をさせないほうが、かえって室内が涼しい。


2006年1月27日

「屋根 その1 茅葺き」

今回のテーマは、屋根であるが、ひとくちに屋根といってもさまざまで、気候風土や歴史により様々な形態と形成される材料によっても種別される。木造建築が古代に始まったときより、屋根が一番の工夫を要し、また必要不可欠のものであった。自然材料の中から、葺き材として、植物が多くは用いられ、草として熊笹の葉や、葦などの茎、木材を割った板葺きなどが代表であった。また、石材(鉄平石、玄昌石、大谷石)を葺いたものもある。6世紀になると、大陸より瓦の技術が入り、日本の屋根の大半を占めるようになってきた。その他に、金属屋根を葺くこともあり、銅板や亜鉛板、最近では、鋼板に亜鉛やアルミ層を形成させた商品もある。また、新建材のセメント系の商品も、多く出回っている。
まず、その1として、茅葺をとりあげたいと思う。(写真1 秋田 クサナギ家 重文
茅葺きというのは、日本の各地につい最近までは、数多く現存していたが、今では、ほとんど葺き替えることなく、残っていたとしても、トタンに覆われて、補修され、建て替えの際には、ほぼ消滅してしまう。山村などでは、まだ、残る可能性があっても、建築基準法の都市計画区域内では、よほど特殊ケースでない限り、可燃物であるから、屋根を葺くことはできない。また、材料を取る茅場もなく、また、それを葺く職人や、地域住民組織も姿を消している。このままでは、一部の保存運動がされている特殊な地域のみに残ることとなろう。

その地域のひとつである京都府の美山町には、まだ、美しい茅葺きの集落が住民の手で継承されて、茅場も有り、町並み自体が観光地となっている。生活しながらの姿が残っており、一度は訪れたい場所のひとつである。(写真2 秋田 土田家 重文
さて、茅葺きを実際に葺いた経験は、一度だけではあるが、足助城の物見櫓写真3 愛知県豊田市足助町)の復元において施工した。この建物は、400年前の中世の山城の復元建物のひとつで、発掘により、掘建て柱を建てた穴が発見され、その穴をそのまま利用して、当時を想像して、復元された。発掘では、瓦や石が発見されなかったので、草屋根ではないかと想像され、草屋根で復元した。
まずこの屋根の材料調達から、工事は始まった。このあたりには、これだけの量の茅を調達することができないため、静岡県の富士山の裾野まで、注文に行った。そこは、自衛隊の演習場内に自生している茅で、全国の文化財の建物の屋根の注文を受けており、夏までに注文をしておかないと、残りは、燃やしてしまうとのこと。茅の刈り取り方法には、2種類あり、機械刈りと手刈りがあり、手刈りの方が若干コストが高いが、長く茅が採れる。そこで、手刈りの茅(4トン車2台分)を注文した。価格は、数十万円(運賃込み)だったと思う。現場に運ばれてきた茅は、すべてが使用できるわけではなく、良い部分だけをより分けると約半分の材料しか利用できなかった。

茅葺き職人は、この地方でただ一人の下山村の職人さんに依頼した。彼は、足助屋敷の茅葺きなど、多くの建物の工事に参加している。茅をふくためには、通常かける足場の巾では、茅を置くことができないため、1間の巾の足場を組んだ。茅は、竹と縄で組まれた垂木にミシンの針の巨大な道具で、約30cmの厚みに積み上げられた茅の束を貫通させ下の方から、丁寧に藁縄でしばられていく。茅の表面を整える篭手をリズムよくたたきながら、穂先をそろえて、屋根が葺かれていく。篭手の裏には、山形の筋が何本もつけられ、うまく穂先が引っかかる工夫がなされている。最後に棟部分を積み上げ、はさみで、丁寧に芝を刈るように軒先から切りそろえられ完成する。
茅は、断熱材としての性能も備え暖かい室内を保っていたのではないだろうか。また、室内で、囲炉裏などを燃やすことで、虫の発生や、腐れを防いでいた。屋根自体の痛みは、やはり、北側の方が傷みが早く、気象条件にもよるが、約20年ほどで、葺き替える必要がある。一度に葺き替えるには、費用もかさむため、年をずらして、片面ずつ葺き替えることもされている。また、茅葺きの古い民家の屋根裏にあがると、必ず、茅が貯めてあり、補修や葺き替えのための準備がなされている。
伊勢神宮の本殿も茅葺きであるが、専用の茅場をもち、遷宮のおりに葺き替えられる。ただし、伊勢神宮の場合は、下地に銅板が張られている。
次回は、くれ板葺き(割り板)について、掲載したいと思います。


2006年1月26日

土間

土間は、古来より家の中の床として使われ、縄文時代の竪穴式住居の時代よりある。直接その上に座ったり、寝たりするケースでは、上に藁やムシロを敷いて使用した。京都の町屋建築では、表の道路から、住居の奥まで続く、「通り土間(とおりにわ)」が必ず設けられ、人の通路としてだけでなく、風の通り道としても利用された。このつくりは、各地の宿場町などに建てられている町屋にもみられる。土間は、水や火を使用する台所や、玄関部分の人の出入りする部分に用いられる。農家などでは、農作業の手仕事部屋としての利用として、玄関としてだけでなく、おおきなスペースがとられた。また、明治頃までは、寝室を土間として、厚い藁の層を設け、その上にムシロを敷いた、ベッドのような利用方法も存在した。一見、貧困だから、床が張れずにそのようにしたという説や格式により、差別したということもあるようだが、この方法は、非常に暖かく、湿度の調整もなされ快適だったようだ。
土間の製造方法については、各地で、若干違うようだが、概ね似ており、「たたき」といわれる工法でなされている。
「三和土」と書いて、「たたき」と読ませることもあることから、多くは、粘性土、消石灰、にがり(あるいは塩)の三つの材料を混ぜて、専用の手道具でたたくことから由来しているのではないだろうか。

粘性土は、できれば山から掘り出されたばかりの若干の湿り気を含んだ粘り気のある土が良い。粘土とは違い、あくまでも土である。今では、なかなか手にいれることが、困難ではある。たまたま、愛知県では、まだ入手が可能である。
消石灰は、市販されているものを利用するしかないが、本来は、生石灰を反応させて、ゆっくり消石灰になったものを利用したようだ。土を固めるための凝固材の役目をする。
にがりは、水分供給のためにあるようだ。乾燥しやすい場所では、特に含有量を増やしたり、メンテナンスで、にがりの希釈液を散布したりするのに用いる。使用しないと、ドライアウトを起こして、表面が割れたり、ほこりが舞ったりするようになり、しっとり感がなくなる。また、カビの抑制効果や殺菌効果を高めるためにも含ませるようだ。
著者が、施工してきたケースでは、「二和土」で、粘性土と消石灰だけで施工している。ただし、メンテナンスには、上記のにがりの希釈液を必要とするケースもある。
薄い層を積み重ねるのではなく、10センチくらいの厚みを同時にたたいて仕上げる方がはがれにくいし、ドライアウトを起こしにくい。土の中に含まれる砂利なのど粒度分布が、微妙に仕上げに左右するので、経験をつまないとなかなかうまく仕上げることができない。
日本だけでなく、世界中で、土間の仕上げ方法があり、中国などでも、道具は違うが、まだ、現役で使用されている地域は各地にある。粘性土だけを、念入りにたたいて、仕上げることも、土の種類によってはできる。
現代の土間は、プランの中に持ち込むこともあり、土が湿度調節を行ってくれる場としての提供や、コンクリートの上より足が疲れないなどの効用もある。しかし、メンテナンスを怠ると土埃もたつので、メンテナンスに自身のある方だけにお勧めしたい。ただし、よく似た感触を楽しむために、工夫されたたたき専用の左官材料もあるので、それを試すことは、推薦できる。いずれにしても、土間のある暮らしは、郷愁ということもあるかもしれないが、工夫次第では、楽しい暮らしとなるのではないだろうか。


2006年1月25日

木建具 について

最近では、骨董市などでも多くの木建具が出回るようになった。昔の木建具の職人さんの技術には、目を見張るものがある。古い建具を新築の建物にリユースすることも、一部の興味ある人の間では、利用されつつある。
アルミサッシが出回る昭和40年代から、急速に外部の木建具は姿を消し、高気密な家が、高級な家の代名詞になってきた。逆に昔ながらの木建具の家は、すきま風のイメージが作り出された。アルミサッシ登場から30年たち、木建具が見直されるようになってきたと思う。

アルミサッシは、熱伝導率が高いために、結露の被害も増え、カビやダニの原因にもつながった。もちろん、高度成長により、暖房器具やエアコンなどが急速に供給されたために、建築の施工方法が追いつくことができず、住む側の住まい方にも問題はあった。
今のペアガラスのアルミサッシは、住宅の間取り上有効な断熱性能を引き出し、結露防止には有効な手段である。それと同じような効果を木建具で表すには、雨戸+ガラス窓+障子が必要である。ゆとりがある場合は、縁側を設けて、居室への外気の流入を防いでいた。硝子が無い時代には、雨戸と障子だけで、開口部を形成していた時代もある。
古い住宅のなかで、通気の工夫のために多く用いられたのは、無双窓である。外部に利用されるときは、外気の流入調整を行いつつ、防犯性能を有した優れものである。さまざまな部位の建具に利用され、床下の空気の調整や、部屋と部屋の間仕切りに利用されたりした。意匠性もでてきて、数奇屋建築などでは、波型模様の無双も登場した。
障子は、雪見障子のような実用的なものから、図柄や絵を組んでいく複雑なものもある。
ふすまは、障子の枠に張る紙が、重ね張りされ、間仕切りなどに用いられ、発展段階で、枠が漆塗りのものが登場した。軽量なふすまは、板戸などと比較して、価格も安い。現在のふすまは、下地は、新建材のものが多く出回る。

板戸は、杉板を利用したものが多いのは、大木に杉が多かったことのように思われる。地方によっては、ケヤキの材が使用されているケースもある。
木建具は、メンテナンスさえ、定期的にすれば、長い実績の中で、建物以上に長持ちすることもあるので、無垢材を利用されることをお勧めしたい。最近のつくりでは、ゴムなどを用いて、密閉度の高い窓をつくることもできるようになった。しかし、コストでは、材料となる良質木材の不足と後継者不足のため、上昇しつつある。使用するかどうかは、施主の経済的な部分にゆだねられるが、今作った木建具が、50年後に骨董市で売られるかどうかは疑問がのこる。


2005年12月1日

自然素材生活館にギャラリー建築中

現在、新年のオープンに向けて、地下の倉庫をギャラリーに改

装中。一般の方の絵や手作り作品を展示できるように、常設部

分と貸しギャラリー部分として造っております。グループ展や

個展などにお使いいただければ幸いです。

内装はもちろん自然素材で、腰板は、杉の赤身板、壁や天井は

、珪藻土です。珪藻土は体験会で塗っていただいた壁を、もう

一度水を噴霧して、軟らかい状態に戻して、再度、左官さんが

押さえ直しました。これは、サメジマのリターナブルパウダー

だからできることで、樹脂が入っていないから再利用が可能で

す。


2005年4月7日

大針ビレッジ報告(内装1)

今日は、完成した内部の紹介です

貸主ー㈱自然素材生活
施工ー㈱ほるくす

E棟 LD
床:ひのき板15mm張り(炭化コルク断熱材25mm)
壁:杉板+しっくい塗り(下地ー小舞竹荒壁)
天井:杉板40mm
堀こたつは、ひのき製特注

E棟 LDからキッチンを望む
杉板で大工施工 (自在棚)
最初からなるべく収納ができるように配慮
ベニヤ製の家具を持ち込まないように

E棟 キッチン
シンク周りの天板は、ひのき集成材+ドイツ製自然塗料リボス社
のアルドボス使用
棚板は、無垢ひのき材使用
本体部分も、無垢ひのき材使用
ガスレンジ周りの天板は、モザイクタイル張り

E棟 1F 畳コーナー
1FLより少し上げてLDと障子で間仕切り
障子は国産ひのき材使用
畳は、無着色イグサ使用
畳床は、ダニシート無しの特注藁製(京間)
床下には、収納の箱引き出しがつきます

E棟 ロフト

南側の部屋からロフトを見上げる
ロフト2坪の書斎へ越屋根の窓から日光が入る
明るい室内である
壁は、しっくい塗り仕上げ 


2005年2月26日

おこしもん(おこしもの)?

今日は、建築中の現場の建具打ち合わせにYさん宅を訪問。
Yさんは、私の幼馴染で、同じ市内に住んでます。
打ち合わせ前に目に飛び込んだのは、ここ日進市ではポピュラーな伝統的な
「おこしもん」の家庭での製作風景。
「おこしもん」とは、家庭で作るお菓子のことで、米粉を練って、木型に入れ
型抜きしたあと、蒸してできるお菓子のこと。出来立てを賞味しました。
砂糖しょうゆに付けて食べるんですが、素朴でたいへん美味です。
お餅のように焼いて食べることもできます。
この季節につくるのは、お雛様のお供えなんです

おこしもんの木型 
家庭にいろんな型が何十年と伝わり使用してます
現在でも、木型は農協で売られてます

木型に米粉の粘土状態のものを詰めています
左が練った状態の米粉です

型から出した状態です
色は食紅でつけます
形は、お祝いごとのお姫さまや、花の形、俵などさまざまです

蒸して完成
艶がでて、湯気がでてます
農協では、完成品も売ってます
先日、名古屋のCBCテレビでも、板東英二の番組で日進市の紹介があり、そこでも製作風景がレポートされました。


2005年1月21日

まきストーブ!フル回転

自然素材生活館には4台の薪ストーブがあります。
寒くなって4台がフル回転してます。
薪は主に建築端材で、ひのき、杉を燃やしてます。
よく薪ストーブ専門雑誌には、楢などの広葉樹の薪じゃないと
煤が溜まりやすいと書いてありますが
実際使ってみると、ひのき、杉は燃やしても煤もつかず
灰も少ないというメリットがあります。
残念ながら、燃えてる時間は広葉樹に比べると短いですが
建築現場で出る廃材処理としては有効に活用してます。
本棟地下のヨツール製薪ストーブ
階段室の一番下にあり全体を暖めてます
床はINAXのソイルセラミックスタイルを使用

A棟2階のバーモントキャステイング製(イントレピット)
ステージは珪藻土を塗りました。
ステージの壁は、テーブルの足も兼ねてます

B棟1階のバーモントキャステイング製(アスペン)
床、壁はINAXのソイルセラミックスタイル床を一段低くして
床下から換気扇で暖気を台所、洗面所へ。

まき小屋
屋根は杉板の赤身板をたて張りにしました
小屋組は、地松です
掛川城の土塀の屋根を10年前に同じ方法で
施工しましたが、先日見たらまだまだ大丈夫だったので
ここでも採用してみました
床は、赤土の三和土です
もっとキャシャに造るつもりが、立派になりすぎてしまいました

本棟2階喫茶内のダッジウエスト製薪ストーブ
ステージは古耐火煉瓦
喫茶内では、薪ストーブ前は特等席になってます