

南向きの玄関です。軒裏は30mmの杉板を使うことで、準防火地域でも木部を現すことができました。また 土壁は、竹小舞下地で外壁側にも中塗りを施し、塗り厚を70mm以上とすることで防火性・耐震性を持たせています。

木製の片引戸も準防火地域の延焼ラインをクリアしています。

土間からの上がり框に並んだ丸孔は、床下通気のためのものです。下駄箱はヒノキ製の特注です。

廊下の床には25mmの杉板を使用しています。壁は中塗り仕上げ。上部の太い丸太は地元豊田市産のヒノキの地棟です。上下に二本並んで、家の中心を南北にずっと通っています。

トップライトを2箇所につけた明るいLDK。天井は野地板(杉30mm)のあらわしです。照明は真鍮ソケットをペンダントにしてシンプルなデザインにしました。


ヒノキでできた神棚は大工工事で設置しました。畳は無着色のイグサを使用しており、畳の心材となる畳床は、稲ワラを主材料にした「ワラ床」という伝統的な方法で仕上げてあります。


北側のお部屋ですが、ここにもトップライトを設けてありますので室内は明るいです。板戸は古建具の再利用で、もとはなんと大正時代のもの。無垢材の木建具は、メンテナンスさえ定期的にすれば、建物以上に長持ちすることもあるので大切にしたいですね。