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11/27~28
前回のブログの続きです
実大実験に立ち会ってきました

11・27は、基準法の範囲内の中地震と大地震に相当する地震波を入力して実験しました
基準法内の地震では、一部壁に亀裂が入りましたが、大きな損傷はありません
ただし、足固めの束と土台は、長ホゾで組んでありますが、コミ栓で止めないために上下方向には、動くようにしてあったために,
かえって損傷を防ぎ、力を逃がしたようで、最大で、20mmほどあがり、すぐに元にもどりました。最大の変形は、約1/40ほどでした

11・28は、多くの見学者の前で、阪神大震災と同じ神戸波100%を入れて実験をいたしました。
結果は、一部の柱が折れ、壁も一部はがれましたが、倒壊はしませんでした

その後、見学者の方が帰られてから、16:00より二回目の神戸波をいれましたが、
倒壊はしませんでした。
損傷は、初めの神戸波でほとんど壊れる箇所は壊れ、やわらかい状態になったので、ダンスをするかのごとく、受け流しておりました

今回は、実験の都合で、水平方向を拘束しましたので、もし、拘束しなければ、もう少し損傷が少なかったかもしれません
しかし、建物は元の位置からづれていたかもしれないので、この状態でもよかったかなと思いました。

来月3,4の実験にA棟にも同じことをしますので、比較ができることを楽しみにしております

時間を見て、映像もアップします

とりあえず報告まで

明日12/27~28と12/3~4との二回に分けて、兵庫県三木市のEデイフェンスにて、実物大の構造実験がされます。
初日は、建築基準法で定められた範囲内の地震波、翌日は、阪神大震災を起こした神戸波をいれて、揺らします。二日目は、前日で、ある程度傷んだ建物に、神戸波をいれるので、損傷がひどくなると予想されます。最終的には、倒壊するまで、地震波を何度も入れます。
 今回の実験は、歴史的な実験でもあり、全国から800人近い建築関係者が見学にきます。
 実験の結果は、調査ののちに発表され、その結果を用いて、今後の建築基準法を伝統構法に対する規制が決まってきます。
 

昨日に続き、Eディフェンスの伝統構法実験棟のりぽーとをします

A棟 985モジュール
 
通し柱への1階梁、差鴨居の仕口です
鼻栓で止めてあります

(実際の現場では、この部分の防水が難しいです)

床下の状態です
鉄骨の上に建っているのは、このまま実験台に移動させるためです

B棟 909モジュール
渡り顎で1階梁が入れてありますので、外壁に飛び出します
土壁も乾き初めてます

貫のある部分の土壁の補強は、藁しべを縦に塗りこめて割れの誘発防止にしてます

小屋裏です
小屋の中央部分に積載荷重として
石膏ボードがおもりとして置いてありました

実験が楽しみです
ちょっともったいないような材料ですが、今後のために使用せざるを得ない状況です
この結果次第で、今後の伝統構法の計算方法に影響してきます

10/8 午後2時に兵庫県三木市にあるEディフェンスへ、実験棟の見学に行ってきました。新神戸より約40分の小高い丘陵に防災公園があり、その広大な敷地の一画にEディフェンスがあります。私は、今回が初めての訪問です。防災科学技術研究所の企画室長の井上貴仁氏の案内で、場内を見学してきました。
ここでは、主に地震を再現して建築物や土木の工作物などの耐震実験がされる国の施設です。
この日は、高速道路の橋脚の実験がされてました。

手前が、最近の耐震基準で建てた橋脚で、阪神大震災と同じ波動を入れてもひび割れができないほどの強度があり、奥は、1960年代の基準で一回の神戸波で破断したそうです。手前が、壊れているのは、神戸波を数回入れて終局までの破壊状態を調べているそうです。
これだけども圧倒される施設の規模です
これを運ぶには、数百トンまで運べる台車で運ばれます

ここは、準備棟です。実験棟の向いにあります。
今回の目的の木造の伝統構法の建物2棟です。
同じ間取りですが、少し構造が違います。

土壁を乾かしているところです
関東の土と関西の土とわざわざ分けて取り付けてあります
中部の土とはどちらも似てませんでした

土壁の圧縮試験用の試験体が乾かしてあります

内部は、扇風機を使って風を起こして土壁を乾燥しております

この建物の壁は、別の試験体を作り、要素ごとに強度を調べる実験も並行して行われます。たいへんな作業です。
これを、実験棟まで移動して1棟づつ、最終的に神戸波を入れて、調査をして
最終的には、破壊する状態まで、地震波を入れます

実験の一般公開は、2日間となりました

11/28(B棟)京都の土壁をつけてあります
12/4 (A棟)東京の土壁をつけてあります

住木センターに申し込みをして見学できます
まだ、募集しておりませんが、今月末には募集が始まります
各団体への募集は、それより前に始まります
人数に制限がありますので、興味のある方は早めにお申し込みください

ちょっと報告が遅くなりましたが、10/1に東京の住木センターにて、国土交通省伝統的構法の設計法及び性能実験検討委員会に出席してきました。実務者の委員は私を含めて3名です。
この委員会は、なぜ作られたかというと、簡単にいうと、日本の伝統的な木造構法を建築基準法の中にちゃんと位置づけるための会議です。
改正基準法で、実務者が使用できる唯一の計算方法でもある限界耐力法が、適判の対象となり、許可をいただくのに、大きなビルと同じプロセスの許可方法になってしまったことを発端に、もっと簡単に実務に活かせるようにしたいというのが狙いです。
このままでは、伝統構法があまりにも複雑な申請から、敬遠されて、なくなってしまうのではないかという危機的な局面でした。

議事内容は、
1、前回議事録の確認 18:10~
2、試験棟の仕様等について
3、試験棟の建設状況について
4、振動台実験工程と加振計画等について 19:05~
5、公開実験の広報等について 19:53~
6、各作業チームの取り組みについて 20:06~21:20

詳しいことは、ここで書くと問題が起こりますが、実務者としての発言をさせていただきました。
学者の方が、実務でない部分での研究対象だけで、伝統木造を語り、数値化することでしか第三者に説明ができないという中で、歴史に残る建物は、複雑な計算もされずに、現存しております。
知恵のある大工を始めとする職人の力によります。
なんとか、伝統構法を日本の匠の技として残しておきたいものです。

すでに、実験棟の建設が始まっており、12月には、実際の建物を揺らしてデーター取りも始まります。

住木センターより、10月中旬には、見学者の募集も始まりますので、興味のある方は、実験を見られるといいかと思います。

7月12日 午後1時より午後6時まで 新宿の工学院大学にて
「このままでは、伝統構法の家がつくれない」
というタイトルで、フォーラムを開催しました

主催スタッフとしてお手伝いさせていただきました
定員250名のところ400名近くの参加数となり、会場は熱い熱気に包まれ、どんな発言が飛び出すのかと、注目のフォーラムでした。

国土交通省の越海さんの発言は、官僚とは思えないほど、はっきりとした口調で、伝統構法にとっては追い風となるように応援していただけると確信しました。
大橋先生と鈴木先生の本音での限界耐力計算の話は興味深いものでした。
会場の準備にあたり、関係者が時間をかけて、この日を迎えた結果といえます。
これは、まだ、スタートラインにのっただけですので、一般の方にも広く理解を求めて、今後、伝統構法による木造住宅が普及するように、努めていきたいです。

YUTUBE動画 大橋先生が語る

先週の月曜日であるが、前出のインドから来たラジュー君と犬山のリトルワールドへ行ったので、その時に撮った写真を今日は掲載します。
リトルワールドへは、今までに3回来てますが、いつも子供と一緒でゆっくり見てませんでした。また、入場者が減り、存続の危機にあることも何度か聞いており、今年は無理かと思いましたが、まだ、開園してました。
リトルワールドは、単なるテーマパークとは違います。名古屋イタリア村は、閉鎖中ですが、あのハリボテ建築とはわけが違います。明治村を経営する名鉄が、本物にこだわり、本物を移築してきてます。
ですから、すごく貴重な資料館でもあります
その中でも、台湾の家は、ちゃんと移築されてる例のひとつです
日本の木組みと違いますが、非常におもしろかったです

歴史的な話は別として、木組みがちゃんとされ、土壁がついております
肘木も入れられ、中国らしさが感じられます
芸術大学の生徒たちが、木建具の原寸取りをして、学んでました
丸桁で支えられた深い軒は、暑さをしのぐための工夫です
屋根の瓦が直接したから見えます
野地板はありません
スペインなどでも、このように葺かれているのを見ましたし、4月に行ったバリでも同じように葺いてあります

漆喰と木組みのコントラスト
日本の木組みとは違いますが、素材は同じです
台湾でもこういう建物は無くなっていくのでしょう

木鼻(きばな)

伝統的な彫刻が施されてます

蛙股と斗(かえるまた、ます)

蛙股と妻板の納まり

木鼻と斗栱(ときょう)

斗(ます)・・・・四角いマスのような形をしたもの
栱(ひじき)・・・・(肘木、肱木)とも書く。斗や桁等を載せる断面長方形の角材。

斗栱とは、この両者が交互にくみあわされたもの。

下から、木鼻、その上に大斗(だいと)、枠肘木、外側に巻斗、中心に方斗、
その上に、軒桁を受ける実肘木(さねひじき)

掛川の文化財2
仰徳記念館は、昭和13年、有栖川宮旧邸の下付を受け移転したもの。
報徳社大講堂の南東にあります

縁側の屋根は、板金になってますが、以前は、杮板か銅板だったのではと思いました。

当時のガラスが割れずに通路部分にはまってます
立派な一枚の巨大な靴脱ぎ石です

こちらも、修復予定だそうです

伝統工法は、未来に技術を伝えていく貴重な資料ですから、守りたいですね
元の姿に近い形で復元できたらいいですね
さすが、元天皇家の建物です

9月に引き続き2回目の国土交通省との建築基準法改正に伴うセミナーが12/7に伝統建築を守りたい5団体の主催により開催。コーディネーターとして私も参加。秋葉原の会場は、全国から伝統的な工法に取り組んでいる大工さん、設計士、工務店が60人ほど集まった。

建築基準法が6月に改正され、いろいろな問題が出てきている。
多くは、消費者にとってみれば、建築確認申請が厳格化され、安心したものを買えるという利点もあるのだが、現場での混乱は、著しい事態である。

今回のセミナーにおいても、住み手にとって不利になる問題点の陳情をお上にすることであり、営業的に建築関係者が不利益になるから陳情することでは決してない。

もはや、日本の住宅文化は、継承してはいけないというのが、今回の改正であり、国土交通省が、耐震化を進めるがあまり、耐震設計がされていない100年の実績ある建物は、現在の基準法にそぐわないので、ほぼ増築することはできなくなってしまった。

日本の古い町並みは、もはやこの基準法の元では、消え去るしかないであろう。
構造計算と実績とどちらが正しいのか?

職人が培ってきた技を受け継ぐことを拒否した日本人の選択は、正しいのであろうか?
というより、国土交通省としては、こんな事態になるとは、決して予想していなかったのであろう。結果としてこういう問題がでてきて、審査基準が厳しくなることで、安心安全の住まいができると信じていたはずだ。

これから家を建てる人が、以前とは違い、建てる住宅によっては大きな影響を受ける。
沖縄のようにコンクリートの住宅だと影響は大であろう。
車庫を地下にRCで作って、上に在来工法の木造で建てる混構造の建物も構造計算の厳格化により影響を受けている。

冬柴大臣は、沈静化を待てというが・・・
喉元すぎれば、大丈夫というわけにはいかない今回の改正

姉歯元設計士の起こした耐震偽装問題の思わぬ余波を受けた伝統工法住宅です

(セミナーの詳しい内容は今回は書くことができませんが、日本の文化を守ることは、山の木と直結していることだけは、間違いなく、伝統工法が、合法でない日本は、やはりどこか歪んでいるのかもしれません。個人の財産は、国が保障してくれるわけではないのだから、個人の承諾を得れば建築士にまかして欲しいです。)

どこかの漫画家が赤白の家を個人の自由だからといって閑静な住宅地に建てるようだが、そんなに赤白の家が元気になるからといって個人の自由だと主張して家を建てたいなら、広大な敷地に木を植えて、周りから見えないところで建てるか、歌舞伎町の真ん中に建ててはどうであろうか。節度のない大人が、この日本の文化をだめにしている。節度のない大手ハウスメカーが建築しているのもうなずける。常識ある設計士は、あんな仕事請け負えない。町並みは、個人の自由などではない。公共の場である。

昨日は、午後13:30より国土交通省との建築基準法改正セミナーのコーディネーターとして参加してきました。6/20に改正された建築基準法は、姉歯建築士による耐震偽装の余波による引き締めのための法律改正です。

大きなビルを建てる設計士のいいかげんな設計により、木造住宅を主に建てている設計士にまで、影響がおよび伝統木造の危機ともいえる状況となりました。

このことに、不満を持つ伝統工法を愛する建築関係者が、集い、法律を作った国の建築指導課の責任者に直接交渉することとなり、昨日それが実現いたしました。

国側も、事前に提出された質疑に対して丁寧な回答をいただき、これからもこのようなセミナーの機会を設けていただけることとなりました。

日本の伝統木造が純粋に残ることを切望しております。

緊張したコーディネートでしたが、なんとか良い方向にまとめることができ、参加者の皆様に感謝しております。
セミナーが終わり、肩の荷がおりました。

熱気あふれる会場です。90名の有志が全国から集いました。

基準法の改正の大きな問題点(一部紹介)
①限界耐力法による申請が、地方の確認審査機関で受付できなくなって、申請期間も最長70日となったことと、審査費用が高額となり、一般木造には適用するには困難となった。審査申請手数料だけで22万円。

住宅に関しては、この枠を外してもらいたいと要望。

②確認申請に添付する書類が増えた。書類事務作業、審査作業の増加。設計料を増額する必要あり。

③来年法律改正があり、建築士の特例が廃止され、構造建築士なるものが創設され、木造を知らないであろう構造の専門化(鉄筋コンクリートや鉄骨の構造専門家)には特権が与えられる。
なんとしても、阻止したい。

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