令和元年5月1日に着工式を執り行い3年後の今年5月1日に落慶式を迎えることができました
左官をはじめ、大工、瓦葺師、瓦工、鬼師、石工、塗師などの職人さんの伝統的な匠の技の結晶として
無事完成に至りましたことに感謝申し上げます
復元修復した山門から御廟所をみる
土塀の瓦を復元しますので、既存の瓦と同じ物としたいところですが
時代も変わり、納まりも変えて2寸長い瓦とします
瓦屋さんは、愛知県高浜市の白鳳瓦さんです
徳川家の家紋である三つ葉葵の御紋の微細な違いを復元することになります
三つ葉葵といっても、それぞれで、平面の状態であれば同じなのですが
立体になると様々にあることを知りました
粘土で造り、金型を制作して造りますが、瓦は陶器なので、焼くと11%小さくなります
本当に大変な手作業により型を制作してます
この瓦は、表面が割れていますが、これは、凍てて表面が飛んでしまう現象です
きれいに磨きのかかった丁寧につくられた瓦ほど、表面が緻密になり、内部と差ができて、こういう現象がおきます
いぶし瓦は、最初は、銀色ですが、この銀色の部分はわずか1ミクロンしかありませんので
10年ほどすると黒くなってくるそうです
型をはずすときに使用する雲母のきらきらが、100年以上経っても、重なり部分の水上には、残ってました
100年以上経っても、三つ葉葵の紋がきれいに残っている瓦のひとつですが、
当時は木型だったので、数をつくるうちに不鮮明になっていきます
きれいなものが入り口付近に多いような気がしました
これとほぼ同じものを復元していきます
来年度には、瓦を葺いていきますので、是非、見学に起こしください
(大江)
岡崎市の松應寺の松平広忠公御廟所土塀工事がいよいよ着工しております
版築の実験を重ね、今回は、いよいよ本番です
本番では、型枠は、300巾X30厚X4000の杉板にしました
既存部分が残っているので、機械は使えず、手作業です
左官の川口さんがリーダーです
型枠から10cmくらいの部分は、既設でも崩して、新しい版築が自立できるようにします
土は、岡崎市内の赤土を使用してます。2トン車で使用する分だけ、場内に運び、そこから運搬車で運び込みます
藁縄を中塗りのときの落下防止のためセパ穴に通しておく
既存の塀を除去した土は、中塗り土として再利用するため、場内に保管する
笹の根などが入り込んだ部分は、根を除去するために既存塀部分は、取り除く
ひびわれなどの部分に根が入り込み、構造的にも弱くなっている部分は除却する
根石の隙間から笹の根が侵入している
発掘調査もしながらの作業となり、今週は、休工となってます
(大江 忍)
令和元年5月1日。
令和の始まりとともに松應寺松平広忠公御廟所山門復原工事の着工式が執り行われました。
こちらは岡崎市にある、徳川家康ゆかりのお寺です。
今月より土塀の修復が始まります。
土塀つくりのワークショップも行われる予定ですので一般の方もご参加いただけます。
全ての完成は令和4年を予定しております。
長期に及ぶ工事が無事に完了いたしますよう祈願させて頂きました。