鍛鉄(たんてつ)
甲府の工事も残すところ、金物の取り付けだけとなり、金物の製作に入っております。
柱に打ちつける筋金物は、鍛鉄仕上げとしており、愛知県日進市の村瀬製作所で打たれます。
この写真は、鉄を熱して熱くして打つためのコークスに火をいれたところです。
これから、新年にかけて、一枚一枚丁寧に鍛鉄されていきます。
鍛鉄すると鉄の表面に槌あとがついて、表情が現れます。
昔の人は、ふいごで風を送りながら、刀や農器具などの金物をつくりましたが、
現在は送風機で風を送ってます。
できあがるのは、来年の2月末ころです。
建具が入りました
この建具は、2階の出入り口の建具で、ひのきで製作
外側は漆喰を塗ります
2階の窓用の建具です
この建具も外からは、漆喰を塗ります
製作は、豊田市の鈴木建具店の2代目です
彼は、非常に優秀な職人で見えないところにも建具が反らない工夫をして
組み立ててくれました。過去には、掛川城の門の建具も作ってます。
引き手金物
この金物は、日進市の村瀬製作所が鍛鉄して製作しました
甲府城の山手渡櫓門の現場もいよいよ完成に近づいてきました
12月の初めには、いよいよ足場も取れて全容が外部から見える予定です
左官工事もほぼ終了してます
中澤工業さん(左官)の職人さんたちが、一生懸命に漆喰に磨きをかけてます
2階の窓部分
格子も全部漆喰で塗られました
大屋根の軒天も蛇腹仕上げ
1階の庇天部分です
見事に蛇腹の垂木部分の曲線が仕上がりました
9/17の状況
工事は順調に進み、左官さんの工事もほとんど下地ができあがりました。
屋根の瓦葺きと平行しながら、妻の木連格子の取り付けとミノコ部分の下地の納めをしてます。藤井棟梁は、こつこつ一人で、日曜日だというのに黙々と仕事をしてます。
仮の屋根があるために雨の日でも工事ができるのは、普通の住宅とは違います。
真ん中あたりで上に斜めに延びてる桧の柱のようなものは、シャチをつける心棒です。
垂木の上に化粧野地板を葺きその上に野垂木で反りを出して、また野地板を張って、大工さんが下地を組んだあとに、屋根屋さんが、とんとん葺きをして本瓦葺きとします。
東土塀
地元の左官さんが、一本一本丁寧に竹にシュロ縄や藁縄を巻いて下地を作りました。大変根気のいる作業で敬服いたします。
その上に軒天部分は、砂漆喰で下地を作ります
これも、細かいところまで篭手を使って塗りこめます
この後に、仕上げまでに下塗り、中塗から仕上げまで、まだまだ工程があります。
壁の部分は、○竹と割り竹を太い藁縄で組んで下地をつくります。
現場で、養生した粘性土を団子状にして、竹の間に押し込みます。
せまい足場の上で、土を運ぶ作業は大変です。
(元請は、甲府の地元の国際建設、コミヤマ工業、進藤建設、さんのJVです)
甲府歴史公園渡櫓門工事
屋根の垂木を取り付けていきます。
隅は反りがあるので、現場であわせながら垂木を一本一本削りながら
取り付けていきます。
これは、入母屋部分の隅木です
隅木ーひのき
垂木ーひのき
作業している大工さんは、成田さんで、藤井棟梁の兄弟弟子です。
成田さんは、ハンググライダーのインストラクターで、
2000m上空まで気流にのって飛び回ったことのある
鳥人間です。
屋根の上くらいの高さならぜんぜん大丈夫なようですね。
心優しいおだやかな人です。
昨日、甲府歴史公園の山手渡櫓門の上棟式を迎えることができました。
工事関係者の参列の元に藤井棟梁の祝詞奏上と
参加大工さんの棟木の槌打ちの儀など執り行われました
山の幸、海の幸を供物として、大工さんの使う道具である
墨壷、墨差し、差し金、ちょうな、カケヤなども一緒に
並べられました
棟木に御幣を3本、五色の布を垂らして建てられました
準備に仕事を終えた夜に2日がかりで準備しました
当日参加した大工さんとともに記念写真です
白い衣を着たのが藤井棟梁
棟梁の向かって左に私です
ひとつの工事の区切りがつきまして
これからは造作工事です
小屋組が始まり、母屋が束の上に載せられていきます
材料は、束、貫、母屋とも、ヒノキです
門の内側となる側からクレーンで材料が吊られ組み立てられました
いよいよ棟木が載せられていきます
この一番上の横の木が棟木です
これをあげることを上棟といいます
棟木が全部あがりました
晴れた日でラッキーでした
この次の日から雨でした
このあと、素屋根をかけて、建物を覆うので当分の間は、外部から見えなくな
ります
小屋組が組み上がりました
丸太の梁は、地松です
雪の降る寒い冬に仮組をして、今やっと現場で本番。
梅雨の合間に晴れてなんとか、順調に
隅木を受ける桁です
ねじり組がしてあります
桁はヒノキです
腕木は、塗籠め仕上げとなります
出桁をセットしてます
大工さんは、この日は6人で仕事をしました
若い大工さんにとっては、なにもかも初めての体験だったようです
渡櫓門には、添柱といって、石垣に添うように6本あります。ケヤキの1尺角の材料を使用してますが、石垣の反りにあわせながら、石垣の表面にひかりつけして立て込んでいきます。
藤井利成棟梁は、チョウナで添柱を加工していきます。今では、なかなか大工さんが現場で使用することがありませんが、このような場所を加工するときには、非常に便利な道具です。
石垣にあわせた墨にあわせて、見事にチョウナの刃が削っていきます。使いなれてないとここまでうまくは、チョウナをふれません。さすが、名人だと実感する瞬間です。
渡櫓門のメインの柱である鏡柱の柱立ての準備です
ケヤキの2.3尺X1.1尺の断面です
柱を立てるのは、天然石の上ですから、ひかり付けが必要
事前に、ベニヤにて型を四方取りして、柱材に移して刻んであります
石に基準になる墨を出して、柱部分にチョークを塗り、当たるところを
探します。歯医者さんで、かみ合わせを調整するのと同じように、当た
ったところにチョークがつくので、そこをサンドペーパーで徐々にすり
ながら、石とぴったりになるように、水平と垂直をあわせながら立てて
いきます。
大工さんは、一本一本丁寧にセットしていきますので、うまくいく時は
、30分くらいで一本がセットできますが、長い時は2時間ほどかかりま
す。特に、この鏡柱は、横巾があるので、水平と垂直をあわせながら立
てるのに時間がかかりました。
耐震のために、金物が柱の下にいれてあります。昔ならいらないはず
なのですが、構造計算のうえでは必要で、これが、施工を余計に難しく
しております。
いよいよ6月5日より、現場に山手渡櫓門の材料を搬入。
14mの大梁は、高速を走れないので、
前日より足助から甲府まで一般道をトレーラーにて運搬しました
小屋組の松材です
大梁14mべいひばを2本、冠木12mのケヤキです
現場が広いので、余裕で材料がおけて安心です
いよいよ柱立てです
けやきの柱が並んでいきます