木鼻(きばな)
伝統的な彫刻が施されてます
蛙股と斗(かえるまた、ます)
蛙股と妻板の納まり
木鼻と斗栱(ときょう)
斗(ます)・・・・四角いマスのような形をしたもの
栱(ひじき)・・・・(肘木、肱木)とも書く。斗や桁等を載せる断面長方形の角材。
斗栱とは、この両者が交互にくみあわされたもの。
下から、木鼻、その上に大斗(だいと)、枠肘木、外側に巻斗、中心に方斗、
その上に、軒桁を受ける実肘木(さねひじき)
高台に建てているせいもありますが、強風が吹くなかでの、組み上げとなっております。今日の現場からの連絡によると風もおさまったようです。
今回の遠征での仕事は、藤井棟梁、成田棟梁、足立さん、矢島さん、花木さんの5名の大工さんで建築中です。
(写真1)は、西妻部分の蛙股(かえるまた)を納めているところです
右奥に見えるのが、日本猿の群れで有名な高崎山です
真ん中が、藤井棟梁、左側が成田棟梁、右側が花木さんです
妻梁を納めています
藤井棟梁と成田棟梁は兄弟弟子です
ベルトでしめて、建てお越しの調整中です
組物が多いので微妙な調整が必要です
これから、屋根部分の仕事へと移っていきます
私は、この時点で、名古屋へ戻ってきましたので、
今度報告できるのは、来月の中旬ころになります
大工さんたちは、このまま銅板葺きの板金屋さんの仕事ができるところまで組み立てて、ひとまず帰ってくる予定です。
一昨日、現場に大工さん5人と到着しました
雨がふっていたので、仮屋根をかける作業をして
昨日、柱建てがはじまりました
内陣部分の壁と向背の柱が建ちました
先日、京都で製作をお願いしていた錺金物(かざりかなもの)が金箔を張られて完成してきました。
藤井棟梁が持っているのは、破風尻につける金物です
完成した舟錠です
銅製で金メッキ仕上げです
豊田市の鈴木建具さんが担当してくれた扉です
一枚板でできており、軸の部分も一枚板から削りだしてます
失敗が許されない緊張感で、大変だったと話してくれました
原寸図の上に載せて、寸法の確認をしてます
扉の錺金物を当てて完成状態の確認をしてます
金物は、建てこみが終わってから取り付けます
これでほぼ準備完了です
いよいよ明日から現場への積み込みの準備です
彫刻師 駒田さん
彫刻師の駒田さんは、190センチの大柄な優しい眼差しの男性です。
どっしりと座布団に座って繊細な彫刻を丁寧にしていただいてます
非常に根気のいる仕事です
彫る材料や形によって、様々な彫刻刀やカンナを使います
ほとんど手作りで作られた道具です
座っている傍らには、常に刃物を研ぐ砥石がおいてあります
彫る丸みや深さによって、カンナの歯を削り、台の木も削り
その丸みに合わせて道具を製作します
その場所を彫るためだけに一度しか使えない道具もあります
こんなに小さなカンナをつくります
今回の蛙股の隅をさらえるために作られたカンナです
ひとつの箇所を掘るのに何度も道具をかえます
この場所だけで、ほんの少しの間に3~4本の道具がかわりました
仕上がった天秤です
いよいよ来週組み立てられます
昨日、午後から大工さんの藤井氏と新しくできたばかりの第二名神を通って、京都へ金物の打ち合わせに行ってきました。事務所から2時間で到着しました。便利になりました。訪ねたのは、京都の西本願寺の南側で、神社仏閣の建築につける金物を製作している(有)松村錺さんです。松村さんは、息子さんと職人さん3人の計5人で銅板を加工して金物を製作する作業をされてます。
今回使用する舟形錠前です
金メッキする前の状態で、扉の厚みに合わせてバランスを考えております
この鍵は、一本一本手作りで製作されてます
細かな彫刻がされております
お社の正面の扉の真ん中に取り付けられます
(写真中央は、松村さん、右は、藤井棟梁)
破風板につける金物です
浮き彫りが施してあります
素地は銅ですが、これから金箔を張って仕上げます
彫り方には、平彫りと浮き彫りがあります
大きさや場所によって使い分けます
金箔仕上げと金メッキ仕上げの両方が選べますが、今回は、見比べた結果金箔仕上げといたしました。金箔仕上げは艶消し
奥のパソコンの前に座っている方が息子さんで、跡取りさんです
今は、社長さんで、親父さんが会長さんになったそうです
手前の職人さんは、銅の板を削って柱に巻く金物を製作中です
一日座りながらの作業、大変なことだと思います
鏨(たがね)で模様を刻印しながら丁寧に進められます
鏨の種類は1000本以上
全部自分で道具も製作します
切り落としのための鏨や模様をつけるためのものなど
道具の場所を覚えるだけでたいへんだそうです
今回、この工房を訪ねて、こういう伝統文化を地道に伝える職人さんがいるからこそ
日本の文化が守られているのだと実感しました
今回、見る機会に恵まれ、感謝いたします
注文した金物の完成は、一か月後です
楽しみです
出来上がった桝
天秤
彫刻が施されてます
柱の仕上げに手カンナをかけてます
茅負
穴にはタル木がささります
微妙な反りがあります
原寸から写した型板を元に加工していきます
高欄を加工する
Rをつけた手摺の先端を組み合わせる
ぴったりと納まった
木材の芯の無い部分を使っている
下木になる仕口部分の加工
反っている部分までの幅の木を落としてこの大きさにした
幅の広い材料を用意して、帯鋸で加工して、手作業にて丸みを手かんなで加工していく
原寸から型起こし
破風の型にゲギョ(懸魚)を合わせて、大きさの検討です
棟の部分と一水下がったところでは、大きさを変えてみました
(写真ー藤井棟梁)
墨付け作業
木取りした材料(桁)に墨をかきこみます
加工中の海老虹梁(えびこうりょう)
この荒取りのあとで、彫刻がされます
鎌倉時代の禅宗様建築から始まったといわれます
虹梁
上へ向かって反った形の梁
稲荷社の原寸図作成
足助の藤井棟梁の原寸場にシナ合板を張り、その上に原寸を描きます
この原寸が基本となり、たる木や斗供、破風板などの型板を作成します
その型板を材料に当てて、墨を移して、材料の加工にかかります
関わる大工さん3人がかりで、詳細の納まりも決めながら描きます
お社は内陣が、1坪強の大きさですが、庇や浜床が周りに出ますので、大きくなります22M3もの木材を使用します
実際に集めてみると、こんなにたくさんの材料がいるのかと驚かされます
現在2回目の木取りのために乾燥中です
十分に乾かすことにより、狂いをなくします
丸太の段階で充分に乾燥された材料ではありますが、より反りをぬくために、慎重に木づくりがされます
材料は、ほとんど無地で節はありません
神様を祭る場所でありますので、一般の住宅とは異なります
これから、彫刻師の方も来て、海老虹梁などの雲型や木鼻が彫られます
昨日の現場の状況です
高台に建つ敷地は、眺めもいいです
版築と石で基礎を造りました
コンクリートを使用したいとの地元建築屋さんの意向もありましたが、本物にこだわりたいというこちらの要望を理解していただき、赤土の版築で亀腹を施工していただきました。
大きな〆縄で、お正月を迎えました