前回のブログの続き
富貴寺の土塀
土塀を見るとついつい興味をもってしまう
掛川城、甲府城と土塀を造った時から、いろいろな土塀を見てきた
少し壊れかけているほうが、見るほうとしては、構造がわかりありがたい
この土塀は、古瓦を挟み込みながら粘性土を積んでいくもので
瓦も本瓦が挟んである
屋根が特徴的で、瓦ではなく
たぶん地元が石の産地でもあるので
石の平板で葺いてあり、ほとんど痛みが無い
修復方法には、疑問を抱かざるを得ない部分もあった
全面にカンレイシャを張って、上塗りをしたようだが
そこで下地との縁が切れてしまい
カーテンのようになっている
全面に張るのであれば、もう少し目の荒いもののほうが
下地と定着してはがれなかったのではないだろうか
こういうタイプの上へ塗り重ねていく土塀ははがれやすいが
法隆寺の正面から続く版築工法の土塀はさすがに痛みが少なかったように
思う
もう少し屋根の庇が出ていれば、こういった下の部分からのはがれは押さえられただろう
今のブロックやフェンスと違い風情があり
先人の職人の苦労がよくみえる
100年以上の風雨にたえるサステイナブルな技術である