最近では、骨董市などでも多くの木建具が出回るようになった。昔の木建具の職人さんの技術には、目を見張るものがある。古い建具を新築の建物にリユースすることも、一部の興味ある人の間では、利用されつつある。
アルミサッシが出回る昭和40年代から、急速に外部の木建具は姿を消し、高気密な家が、高級な家の代名詞になってきた。逆に昔ながらの木建具の家は、すきま風のイメージが作り出された。アルミサッシ登場から30年たち、木建具が見直されるようになってきたと思う。
アルミサッシは、熱伝導率が高いために、結露の被害も増え、カビやダニの原因にもつながった。もちろん、高度成長により、暖房器具やエアコンなどが急速に供給されたために、建築の施工方法が追いつくことができず、住む側の住まい方にも問題はあった。
今のペアガラスのアルミサッシは、住宅の間取り上有効な断熱性能を引き出し、結露防止には有効な手段である。それと同じような効果を木建具で表すには、雨戸+ガラス窓+障子が必要である。ゆとりがある場合は、縁側を設けて、居室への外気の流入を防いでいた。硝子が無い時代には、雨戸と障子だけで、開口部を形成していた時代もある。
古い住宅のなかで、通気の工夫のために多く用いられたのは、無双窓である。外部に利用されるときは、外気の流入調整を行いつつ、防犯性能を有した優れものである。さまざまな部位の建具に利用され、床下の空気の調整や、部屋と部屋の間仕切りに利用されたりした。意匠性もでてきて、数奇屋建築などでは、波型模様の無双も登場した。
障子は、雪見障子のような実用的なものから、図柄や絵を組んでいく複雑なものもある。
ふすまは、障子の枠に張る紙が、重ね張りされ、間仕切りなどに用いられ、発展段階で、枠が漆塗りのものが登場した。軽量なふすまは、板戸などと比較して、価格も安い。現在のふすまは、下地は、新建材のものが多く出回る。
板戸は、杉板を利用したものが多いのは、大木に杉が多かったことのように思われる。地方によっては、ケヤキの材が使用されているケースもある。
木建具は、メンテナンスさえ、定期的にすれば、長い実績の中で、建物以上に長持ちすることもあるので、無垢材を利用されることをお勧めしたい。最近のつくりでは、ゴムなどを用いて、密閉度の高い窓をつくることもできるようになった。しかし、コストでは、材料となる良質木材の不足と後継者不足のため、上昇しつつある。使用するかどうかは、施主の経済的な部分にゆだねられるが、今作った木建具が、50年後に骨董市で売られるかどうかは疑問がのこる。
現在、新年のオープンに向けて、地下の倉庫をギャラリーに改
装中。一般の方の絵や手作り作品を展示できるように、常設部
分と貸しギャラリー部分として造っております。グループ展や
個展などにお使いいただければ幸いです。
内装はもちろん自然素材で、腰板は、杉の赤身板、壁や天井は
、珪藻土です。珪藻土は体験会で塗っていただいた壁を、もう
一度水を噴霧して、軟らかい状態に戻して、再度、左官さんが
押さえ直しました。これは、サメジマのリターナブルパウダー
だからできることで、樹脂が入っていないから再利用が可能で
す。
あいちの木で家を造る会
第5回総会記念講演
場所:名古屋市公会堂3階(第5集会室)
5月26日(木)午後3時30分~4時30分:参加無料>『木造住宅の耐久性能を考える』
~歴史、文化、技術の観点から~★講師 平嶋義彦氏
(名古屋大学大学院生命農学研究科教授・農学博士)
■プロフィール:1944年山梨県生まれ。農林省林業試験場構造性能研究室長、静岡大学農
学部助教授、名古屋大学農学部教授を経て、1999年より現在に至る。
現在、ヨーロッパ科学アカデミー会員、国際木質科学アカデミー会員、木質構造審査・
評定委員など。木質構造限界状態設計法小委員会主査、愛知県木造住宅耐震診
断マニュアル作成委員会委員長歴任など。
【研究室のHP http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/ 】
あいちの木で家を造る会会長
十年前の兵庫県南部地震以来いくつかの地震が日本列島を襲い、そのたびに木造住宅 は少なからぬ被害を出しています。なぜ地震のたび
に木造住宅は被害を受けるのでし ょうか。木造住宅の耐震性能については、従来もっ
ぱら耐震設計といった技術の面だけから検 討されてきましたが、さらに歴史的、文
化的側面からもみる必要があります。この講 演ではこのような視点で木造住宅を考
え、問題点を明らかにしてみたいと思います。この問題点を乗り越えてあいちの木で
造った「あいちの木の家」につながっていけばと思います。
あいちの木で家を造る会事務局
名古屋市西区名塚町1-77 tel/fax(052)522-3988
info@aichinoki.jp
プロフェッショナル向け
特別講座は好評につき残り5名となりました
定員になり次第締め切ります
■近山スクール特別講座「ヤマベの木構造1・2・3」
木や土など自然素材で建築をつくりたいと考えておられる建築土、工務店、職人の皆様を対象に、構造についての考え方を最新の知見や情報を交えながらわかりやすく講義を進めます。講座の中ては講義に加え、ディスカッションや受講生が関わる事例 を取り上げての解説など、実務に役立つ構成にしたいと考えております。
講師 :山辺豊彦
会場 :名古屋工業大学(名古屋市昭和区)
集合方法:現地集合
第1回 7月30日(土) 地盤について/地震について
第2回 8月27日(土) 木組みの可能性/土壁の可能性
第3回 10月22日(土) 構造デザインと「近くの山の木」
定員20名(申込先着順)受講料20,000円 (講義3回、資料代込み)講義時間:13:30~16:30
募集期間 :4月27日~5月20日
申込方法 :下記の連絡先に問い合わせてください。
連絡先 :近山スクール名古屋事務局 藤岡
〒466-8555名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学 藤岡研究室
E-mail:c-yama@archi.ace.nitech.ac.jp FAX:052-735-5182
「近くの山の木で家をつくるスクール名古屋2005」のご案内
「近くの山の本で家をつくるスクール名古屋」(略称:近山スクール名古屋)は、「近くの山の木で家をつくる運動」 を推進するNPO法人緑の列島ネットワークの共催のもと、名古屋工業大学「木の文化研究フォーラム」が主催す る「木と木造」を学ぶための学校です。
「近くの山の木」で長持ちする木の家をつくることは、日本の山々とその山々を源とする川の流域全体の環境を守 るだけでなく、住まい手の健康に配慮し、伝統文化を次世代の技術に活かすことにつながります。その大切さを理解 し、実践する人材を育てる事こそ、近山スクールの目的です。
昨年に引き続き、各方面でご活躍の森と木の文化についてのスぺシャリストの方々に、講義とフィールドワークを お願いしております。今年は、山の現状と文化の理解、木を活かした住まいづくりのデザインメソッドなどをテーマ とした「一般公開講座」と「基本講座」、木を活かした建築を構造的に理解していただくためのプロフェッショナル 向けの「特別講座」を用意いたしました。
これからの森林のあり方や木の文化、暮らしについて多くの方に関心と理解を持っていただきたいと考え、一般公開講座を開催いたします。どなたが聴いても興味深くわかりやすい内容です。
開催日 6月4日(土)
講師 鈴木有(元秋田県立大学教授)
テーマ 「近くの山の木」で家をつくるために/ 中越地震で木構造は…
会場 名古屋工業大学(名古屋市昭和区)
集合方法 現地集合
定員70名(申込先着賑)受講料1,000円(講義1回、資料代込み)
講義時間:13:30~16:30
自然素材生活館においでください
昨日までは、すぐ横の名古屋ゴルフコースでは中日クラウンズの熱い試合がされ、18番ホール横の自然素材生活館では、多くのギャラリーの声援が聞こえておりました。
東側入り口
石垣の上にかかる木製のはね橋から渡って
園内の木道から庭を通って玄関に向かいます
庭の下を歩く園路は、雨の時の排水路も兼ねてます
仕上げは、リサイクル材の瓦のシャモットの洗い出しです
小屋の前にある花壇は季節の花が咲きます
チューリップが終わってしまいましたが・・・
湧き出す泉の水は、雨水を利用してます
散水やトイレの水はすべて雨水を利用してます
園路とせせらぎが交錯しながら流れてます
せせらぎは泉からの雨水が園内を流れます
芝生は植えたばかりなのでまだ全部青くなってません
名古屋へおいでの時は、是非お立ち寄りください
今日は、完成した内部の紹介です
E棟 LD
床:ひのき板15mm張り(炭化コルク断熱材25mm)
壁:杉板+しっくい塗り(下地ー小舞竹荒壁)
天井:杉板40mm
堀こたつは、ひのき製特注
E棟 LDからキッチンを望む
杉板で大工施工 (自在棚)
最初からなるべく収納ができるように配慮
ベニヤ製の家具を持ち込まないように
E棟 キッチン
シンク周りの天板は、ひのき集成材+ドイツ製自然塗料リボス社
のアルドボス使用
棚板は、無垢ひのき材使用
本体部分も、無垢ひのき材使用
ガスレンジ周りの天板は、モザイクタイル張り
E棟 1F 畳コーナー
1FLより少し上げてLDと障子で間仕切り
障子は国産ひのき材使用
畳は、無着色イグサ使用
畳床は、ダニシート無しの特注藁製(京間)
床下には、収納の箱引き出しがつきます
E棟 ロフト
南側の部屋からロフトを見上げる
ロフト2坪の書斎へ越屋根の窓から日光が入る
明るい室内である
壁は、しっくい塗り仕上げ
今日は、建築中の現場の建具打ち合わせにYさん宅を訪問。
Yさんは、私の幼馴染で、同じ市内に住んでます。
打ち合わせ前に目に飛び込んだのは、ここ日進市ではポピュラーな伝統的な
「おこしもん」の家庭での製作風景。
「おこしもん」とは、家庭で作るお菓子のことで、米粉を練って、木型に入れ
型抜きしたあと、蒸してできるお菓子のこと。出来立てを賞味しました。
砂糖しょうゆに付けて食べるんですが、素朴でたいへん美味です。
お餅のように焼いて食べることもできます。
この季節につくるのは、お雛様のお供えなんです
おこしもんの木型
家庭にいろんな型が何十年と伝わり使用してます
現在でも、木型は農協で売られてます
木型に米粉の粘土状態のものを詰めています
左が練った状態の米粉です
型から出した状態です
色は食紅でつけます
形は、お祝いごとのお姫さまや、花の形、俵などさまざまです
蒸して完成
艶がでて、湯気がでてます
農協では、完成品も売ってます
先日、名古屋のCBCテレビでも、板東英二の番組で日進市の紹介があり、そこでも製作風景がレポートされました。
自然素材生活館には4台の薪ストーブがあります。
寒くなって4台がフル回転してます。
薪は主に建築端材で、ひのき、杉を燃やしてます。
よく薪ストーブ専門雑誌には、楢などの広葉樹の薪じゃないと
煤が溜まりやすいと書いてありますが
実際使ってみると、ひのき、杉は燃やしても煤もつかず
灰も少ないというメリットがあります。
残念ながら、燃えてる時間は広葉樹に比べると短いですが
建築現場で出る廃材処理としては有効に活用してます。
本棟地下のヨツール製薪ストーブ
階段室の一番下にあり全体を暖めてます
床はINAXのソイルセラミックスタイルを使用
A棟2階のバーモントキャステイング製(イントレピット)
ステージは珪藻土を塗りました。
ステージの壁は、テーブルの足も兼ねてます
B棟1階のバーモントキャステイング製(アスペン)
床、壁はINAXのソイルセラミックスタイル床を一段低くして
床下から換気扇で暖気を台所、洗面所へ。
まき小屋
屋根は杉板の赤身板をたて張りにしました
小屋組は、地松です
掛川城の土塀の屋根を10年前に同じ方法で
施工しましたが、先日見たらまだまだ大丈夫だったので
ここでも採用してみました
床は、赤土の三和土です
もっとキャシャに造るつもりが、立派になりすぎてしまいました
本棟2階喫茶内のダッジウエスト製薪ストーブ
ステージは古耐火煉瓦
喫茶内では、薪ストーブ前は特等席になってます
㈱ほるくすの集大成の展示場2棟と本館では、喫茶や自然素材の販売もしております。薪ストーブも稼動中。コーヒーを飲みながら、語りあいませんか?絵画教室も開催中。レンタルのギャラリーもありますので、仲間やサークルでどんどん利用してください。年末年始も営業中(12月31~1月2日は営業してます10:00~17:00)12/29,30,1/3,4はお休みです。ホームページもごらんください
http://www.shizensozai.jp/