近山スクール名古屋2004 第三回フィールドワーク
蓮教寺見学会報告(講師ー麓 和善 氏)
蓮教寺は、浄土真宗高田派のお寺で、『尾張名所図絵』〔天保12年
(1841)刊〕にも紹介された尾張を代表する名刹です。境内には本堂〔宝
暦8年(1758)〕・庫裏〔宝暦13年〕・書院〔文化9年(1716)〕・山門
〔同〕他が、江戸時代のまま今日まで残っており、いまだ指定はされて
いないものの、貴重な文化財といえます。
本堂の修理は、名古屋工業大学大学院教授の麓和善先生の指揮の下、
平成14年4月に解体工事に着手し、平成16年10月に竣工しました。
今回の見学会では、まず書院において工事の経過と調査内容をスライド
を使って解説していただき、次に修復が完了した本堂を見学しながら、
江戸時代の技法や、文化財としての補修方法について解説をいただきま
した。また、境内には、麓先生設計の茶室・茶庭もありました。
(解説中の麓先生)
国宝を修復される襖絵師さんや奈良からの瓦師さん、漆塗りの塗師さん
などの現代の名工の匠の修復技術についての解説もパワーポイントで
なされ、現場でそれを確認できたことは非常に有意義であったと思います。
2003・9・20解体修理中 本瓦をおろして、複雑な丸太小屋組みまで解体
本瓦は一枚一枚丁寧に時代を分類されました
2003・9・20解体修理中
250年前に入れられた筋交い。非常に珍しい例です
筋交いは無いという定説の中現存してました。
一度も修復されず、大きな地震も乗り越えてきてます
本堂内部の耐震面格子についての解説を受講者が聞く