伝統構法にこだわった家がここに建ちます。工事の安全を祈願し、地鎮祭を執り行います。
柱状地盤改良工事です。表層地盤が弱いため、地面に柱状の孔をあけ、セメントミルクを注入。より深い良好な支持層に至る改良杭をつくります。
色の変わっているところが改良杭です。盛り土の上に鉄筋を組んでコンクリートを流し込み、ベタ基礎をつくります。
配管はベタ基礎の中に埋め込まれています。立ち上がりのないコンクリート基礎の上に御影石を置き、その上に土台を載せます。
土台の上に、建物の外周を固める太い「足固め」がまわります。伝統構法のやり方です。
大黒柱の足元の様子です。柱勝ちで柱に土台がささり、その上に雇いほぞで土台がささります。
階段横に格子壁を採用。これも建築基準法で壁倍率を与えられたれっきとした耐力壁です。
掛け矢で叩いて、柱に梁をおさめます。梁は追っかけ大栓継ぎで継いでいます。
1階部分が組み上がったところ。通し柱の部分以外は、梁や桁など横物が柱に通る組み方にしました。
2階もほぼ組み上がりました。この棟木がおさまると上棟です。
屋根がつきました。縦横だけの直行する小屋組、大きな屋根、破風、折置組の特徴である出桁が目立ちます。
棟木のすぐ下まで大黒柱が通っています。紅白の布が巻かれ、邪気を祓う棟飾りがあげられています。
土壁をつける準備が始まりました。小舞職人が来て、土をつける下地となる小舞を竹と藁縄で編みます。
敷地内で中塗り用の壁土を練っています。愛知県産の粘性土を使っています。
土には切り藁を混ぜます。これは中塗り土に混ぜる、細かい藁です。
荒壁土が乾いたところに中塗りを施します。左官屋さんの腕が冴えます。
外壁には木材保護にすぐれた墨汁を塗ります。お城に塗るのと同じ墨を取り寄せて使っています。
墨を塗っているところ。自然塗料ですから、職人さんも具合が悪くなることがありません。
土台と足固めの間には床下の通風を確保するために、季節に応じて開閉できる無双窓をつけました。
2階ギャラリー部分の床組です。40ミリの雇いザネで組んだ厚板の上に、30ミリの床板を敷きこみました。
前の写真の床の上に大工さんつくりつけの本棚と机ができました。開放的な書斎になります。
板戸が入ったところ。建具屋さんが木の赤身と白太をうまく組み合わせてくれました。
漆喰の白と、墨の黒のコントラストも鮮やかに、精悍な伝統構法の家ができ上がりました。