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2008年10月10日

実験棟 経過報告2

昨日に続き、Eディフェンスの伝統構法実験棟のりぽーとをします

A棟 985モジュール
 
通し柱への1階梁、差鴨居の仕口です
鼻栓で止めてあります

(実際の現場では、この部分の防水が難しいです)

床下の状態です
鉄骨の上に建っているのは、このまま実験台に移動させるためです

B棟 909モジュール
渡り顎で1階梁が入れてありますので、外壁に飛び出します
土壁も乾き初めてます

貫のある部分の土壁の補強は、藁しべを縦に塗りこめて割れの誘発防止にしてます

小屋裏です
小屋の中央部分に積載荷重として
石膏ボードがおもりとして置いてありました

実験が楽しみです
ちょっともったいないような材料ですが、今後のために使用せざるを得ない状況です
この結果次第で、今後の伝統構法の計算方法に影響してきます


2008年10月9日

伝統構法実験棟を見て来ました

10/8 午後2時に兵庫県三木市にあるEディフェンスへ、実験棟の見学に行ってきました。新神戸より約40分の小高い丘陵に防災公園があり、その広大な敷地の一画にEディフェンスがあります。私は、今回が初めての訪問です。防災科学技術研究所の企画室長の井上貴仁氏の案内で、場内を見学してきました。
ここでは、主に地震を再現して建築物や土木の工作物などの耐震実験がされる国の施設です。
この日は、高速道路の橋脚の実験がされてました。

手前が、最近の耐震基準で建てた橋脚で、阪神大震災と同じ波動を入れてもひび割れができないほどの強度があり、奥は、1960年代の基準で一回の神戸波で破断したそうです。手前が、壊れているのは、神戸波を数回入れて終局までの破壊状態を調べているそうです。
これだけども圧倒される施設の規模です
これを運ぶには、数百トンまで運べる台車で運ばれます

ここは、準備棟です。実験棟の向いにあります。
今回の目的の木造の伝統構法の建物2棟です。
同じ間取りですが、少し構造が違います。

土壁を乾かしているところです
関東の土と関西の土とわざわざ分けて取り付けてあります
中部の土とはどちらも似てませんでした

土壁の圧縮試験用の試験体が乾かしてあります

内部は、扇風機を使って風を起こして土壁を乾燥しております

この建物の壁は、別の試験体を作り、要素ごとに強度を調べる実験も並行して行われます。たいへんな作業です。
これを、実験棟まで移動して1棟づつ、最終的に神戸波を入れて、調査をして
最終的には、破壊する状態まで、地震波を入れます

実験の一般公開は、2日間となりました

11/28(B棟)京都の土壁をつけてあります
12/4 (A棟)東京の土壁をつけてあります

住木センターに申し込みをして見学できます
まだ、募集しておりませんが、今月末には募集が始まります
各団体への募集は、それより前に始まります
人数に制限がありますので、興味のある方は早めにお申し込みください


2008年10月8日

伝統構法検討委員会 報告

ちょっと報告が遅くなりましたが、10/1に東京の住木センターにて、国土交通省伝統的構法の設計法及び性能実験検討委員会に出席してきました。実務者の委員は私を含めて3名です。
この委員会は、なぜ作られたかというと、簡単にいうと、日本の伝統的な木造構法を建築基準法の中にちゃんと位置づけるための会議です。
改正基準法で、実務者が使用できる唯一の計算方法でもある限界耐力法が、適判の対象となり、許可をいただくのに、大きなビルと同じプロセスの許可方法になってしまったことを発端に、もっと簡単に実務に活かせるようにしたいというのが狙いです。
このままでは、伝統構法があまりにも複雑な申請から、敬遠されて、なくなってしまうのではないかという危機的な局面でした。

議事内容は、
1、前回議事録の確認 18:10~
2、試験棟の仕様等について
3、試験棟の建設状況について
4、振動台実験工程と加振計画等について 19:05~
5、公開実験の広報等について 19:53~
6、各作業チームの取り組みについて 20:06~21:20

詳しいことは、ここで書くと問題が起こりますが、実務者としての発言をさせていただきました。
学者の方が、実務でない部分での研究対象だけで、伝統木造を語り、数値化することでしか第三者に説明ができないという中で、歴史に残る建物は、複雑な計算もされずに、現存しております。
知恵のある大工を始めとする職人の力によります。
なんとか、伝統構法を日本の匠の技として残しておきたいものです。

すでに、実験棟の建設が始まっており、12月には、実際の建物を揺らしてデーター取りも始まります。

住木センターより、10月中旬には、見学者の募集も始まりますので、興味のある方は、実験を見られるといいかと思います。